賃貸併用住宅の作り方①で決めた条件で作ろうとした場合、
可能なのか検証し、難しい場合、どこをどう調整していく必要があるのか検討してみましょう。
必要な土地面積の把握
自宅81㎡ 賃貸部80㎡とした場合、延べ床面積(建物の総床面積)161㎡の建物を建てられる土地が必要になります。
必要な土地面積は建蔽率・容積率の組み合わせで決まります。
簡単に言いうと
建ぺい率とは、「土地面積の何パーセントまで建物を建てていいか」を定めたものです。建ぺい率が60%であれば、100㎡の土地の場合、60㎡まで使って建てられるということになります。
容積率とは、「土地面積の何パーセントまで延べ床面積が認められるか」を定めたものです。容積率が200%なら、100㎡の土地の場合、200㎡までの建物を建てることができます。土地面積が狭くても容積率が高ければ、延べ床面積が広い建物を建築可能ということになります。
ここでは、一旦、住宅地で作る場合に可能性の高い、建蔽率60% 容積率150% の土地に2F建てで161㎡の建物を建てることとした場合で話を進めます。
1F81㎡ 2F80㎡の建物とすると 81㎡÷60%(建蔽率)=135㎡以上の土地が必要です。
延べ床面積をチェックすると上限は135㎡×150%(容積率)=202.5㎡となり、161㎡の建物を作ることは問題ありません。
ということで、
探すのは、
建蔽率60% 容積率150%(これより大きくてもかまいません)となっている135㎡(約40坪)以上の土地ということになります。
土地代を把握する
住みたい立地の土地代を把握してみましょう。
等のサイトで、目的の立地の土地を見てみましょう。
いま売りに出ている土地をいくつか見て、相場をつかみましょう。
その際、整形地で家がついていない事例を見ておきます。
(変形地だと安くなりますし、家がついているとその撤去代を考慮しなければならず、複雑になるため)
求める大きさの土地事例ばかりでないと思いますので、坪単価も把握します。
例えば50坪の土地が5000万円ででていたら、100万円が坪単価(1坪あたりの土地代)です。
仮に、希望の駅徒歩10分くらいなら 坪110万円 と把握できたとしますと
土地代は40坪×110万円=4400万円くらいと想定できました。
家賃収入を想定する
賃貸部は、一番収益効率の高い1部屋20㎡くらいのシングル向けの部屋を用意するとします。
賃貸部は80㎡ですので、20㎡の部屋が4つ作れますね。
家賃相場については、以下で調べてみましょう。
パラメーター(今回の場合)は以下でチェック。
・アパート
・専有面積 15~20㎡
・駅徒歩 5~10分
・築年 0~5年
・バス・トイレ別
・エアコン有
この結果家賃が5.5万円だったとします。
そうすると、家賃収入見込みは 5.5万円×4部屋=22万円/月 となりますね。
工事費を想定する
工事費は 自宅部は坪70万円、賃貸部は一戸500万円 で一旦検討しましょう。
今回の場合、
自宅 81㎡→25坪×70万円=1750万円
賃貸 500万円×4戸=2000万円
計 3750万円 となります。
これらの条件を突き合わせてみる
土地代 4400万円
建物代 3750万円
計 8150万円
ローン借入 8150万円 (土地建物代全額を借入。諸経費は自己資金と想定)
ローン返済 23万円 (金利1% 期間35年 と想定)
家賃収入 22万円/月
ということで、今回のケースでは、家賃収入でほほ住宅ローンが返済できるということになりました。
住宅ローンを8150万円借りることができる、家賃収入=ローン返済でよい、というのであれば、この条件の土地を探せれば、希望の立地に希望の大きさの家が建ちそうですね。
条件調整
ただ、空室となった場合の収入減、老朽化に伴う家賃の下落、賃貸部分の経費(保険、ネット、修繕費等)を考慮していないので、もっと収入を増やしたいということであれば、
・土地代に対する家賃収入が高い立地を探す
・同エリアで割安な土地を探す
住宅ローンで借り入れられる額がもっと少ない場合は、
・規模を見直して工事費をさげる
・土地代が安いエリアにする
・同エリアで割安な土地を探す
という調整をしていくことになります。
自宅の規模や自宅と賃貸部の割合などによっても結果が変わってきますので、自分の求める規模、立地等で試算しながら、優先順位をつけ、条件を調整していきましょう。
そして、前回定めた条件整理の内容を調整して、探す土地の大きさ、エリアを決めていきましょう。